叡山電鉄との直通構想も!?京福電鉄嵐山線乗車記

画像 062s.jpg

はじめに


2005年8月28日。私の京都滞在は5日目を迎えた。この日は京福電鉄の未乗区間への乗車を行うため四条大宮駅へと向かった。京福電鉄の嵐山線系統は嵐山本線と北野線の2路線があるが、この当時の私は嵐山本線の四条大宮から帷子ノ辻間が未乗区間であった。

この日は四条大宮駅から嵐山本線で帷子ノ辻駅まで行き未乗区間の乗車を終えた後、そこからは北野線へと乗り換えて北野白梅町駅へと向かい再び京都市中心部方面へと戻ることにした。


目次


1.京福電鉄嵐山線とは


RandenEidenMap.svg.png
▲京福電鉄・叡山電鉄路線図(Wikipediaより引用)


京福電鉄嵐山線とは、京福電気鉄道が京都市西部において運営している軌道路線、嵐山本線と北野線の2路線を総称した名称で、通称嵐電(らんでん)と呼ばれている。同路線は、嵐山を始めとする洛西エリアの観光地への行楽路線であるとともに、繁華街である四条通へ出るための足ともなっている。

このうち、嵐山本線は、京都府京都市下京区の四条大宮駅から右京区の嵐山駅までの7.2kmを結び、北野線は嵐山本線の帷子ノ辻駅から分岐し北区の北野白梅町駅までの3.8kmを結んでいる。

京福電鉄嵐山線は路面電車規格の軌道路線であるが、軌間は他の関西私鉄や新幹線と同じ標準軌の1,435mmを採用しており、全路線が直流600Vの架空電車線方式で電化されている。

京福電気鉄道は、この他、京都市内東部において鉄道事業として比叡山に登る鋼索線(叡山ケーブル)・叡山ロープウェイを運営も行っており、叡山ケーブルへのアクセス路線である叡山電鉄(叡山本線・鞍馬線)もかつては京福電気鉄道により運営が行われていた。しかし、叡山本線・鞍馬線は1986年に経営状態の悪化を理由に叡山電鉄に分社化されている。

また、かつては福井県内にも福井本社を置き、鉄道・バス事業を行っていたが、福井本社ではバス事業を2000年に子会社の京福バスに全面的に譲渡し撤退。鉄道事業についても2000年12月と2001年6月、福井の越前本線でわずか半年間に2度の電車同士の正面衝突事故を起こしたことが要因となり、2003年に第三セクターのえちぜん鉄道に事業を譲渡して撤退している。京福電気鉄道の「京福」の名称については、京都と福井で事業を行っていたことに由来する。

なお、京福電鉄の北野白梅町駅と叡山電鉄の出町柳駅の約4.0kmの間には、今出川通り上にLRT路線を建設し、京福電鉄北野線と叡山電鉄叡山本線とを含めて直通運転をさせる構想が1990年代末頃からあるそうで、ちょうどこの当時の2005年8月には京都市からLRT導入検討の報告書が公表された。ここでは7つのルートを挙げて建設費や収支予測などを検討していることが分かった。


2.嵐山本線を四条大宮から帷子ノ辻へ!


画像 058s.jpg
▲起点の四条大宮駅


京福電鉄嵐山本線は、京都府京都市下京区の四条大宮駅から右京区の嵐山駅までの7.2kmを結ぶ複線の軌道路線であるが、この嵐山本線のうち四条大宮駅から帷子ノ辻駅までの5.2kmの区間が未乗路線となっていることから今回はこの区間に乗車をする。

嵐山本線の起点となる四条大宮駅は、日本生命四条大宮ビルと一体化した構造となっており、ビルの地上部分南東側が京福電鉄の駅スペースとなっており、3面2線の櫛形ホームを備える。

通常、鉄道起点のターミナル駅の駅ビルは百貨店などの商業施設が入居しているパターンが多いが、京福電鉄の四条大宮駅については百貨店ではなくオフィスビルと一体化した構造のようである。また、地下駅である阪急電鉄大宮駅の駅舎が、四条大宮交差点を挟んだ対面側に設置されている。


画像 059s.jpg
▲四条大宮駅ホームの様子


京福電鉄嵐山本線は、日中は10分間隔での運転が行われていることから待たずに乗車できる点がありがたい。なお、大部分の電車が四条大宮~嵐山間の通し運転を行っており、このとき乗車した電車も嵐山行であった。


画像 060s.jpg
▲四条大宮駅に入線する電車


車両は路面電車タイプのものが基本的には1両編成でワンマン運転されているが、ラッシュ時や観光シーズンには2両編成となり、乗客が車両間を乗り移れないため2両目前方の運転台にも乗務員が乗車して運賃収受を行うそうだ。

電車は四条大宮駅を発車すると住宅地に囲まれた専用軌道をしばらく進み山陰本線の高架橋をくぐり京福西院駅へ。京福西院駅には車庫が併設されており、平服西院駅を発車するとすぐに進行方向右手側に多くの電車が停車している西院車庫の様子を見ることが出来た。

次の西大路三条駅をすぎると山ノ内駅までの1km弱に渡って道路上に敷設された併用軌道へと入り、そして再び専用軌道区間へ。そして、蚕ノ社駅と太秦広隆寺駅付近でまた併用軌道となった後、再び専用軌道区間となり北野線との乗換駅である帷子ノ辻駅には16分ほどの所要時間で到着することができた。

嵐山本線の四条大宮~帷子ノ辻間は5.2kmの短い区間であるのにもかかわらず、住宅地の隙間を縫うように走る専用軌道区間と道路上に敷設された併用軌道区間が3度にも渡って入れ替わるという車窓の変化に富んだ楽しい路線であった。

帷子ノ辻駅からは北野線へと乗り換えて再び京都市の中心部方面へと戻る。


3.北野線を帷子ノ辻から北野白梅町へ!


嵐山本線から北野線が分岐する帷子ノ辻駅は難読駅名の一つであるが、これで「かたびらのつじ」という読み方をする。そもそも帷子(かたびら)とは、絹や麻糸で織った着物のことで、帷子ノ辻の地名の由来は平安時代にさかのぼるという。

それは9世紀半ばの平安時代、嵯峨天皇の皇后である檀林(だんりん)皇后の葬列で、棺に架けられていた帷子が三条通と交わる辻(交差点)で風に舞ってはらりと落ちたことから、このあたりが帷子ノ辻と呼ばれるようになったそうだ。地名の由来を1000年以上も遡ることができるというのが如何にも京都らしい。

帷子ノ辻駅から分岐する北野線は、帷子ノ辻~北野白梅町間3.8kmの折り返し運転が基本で、こちらも嵐山本線と同様に日中は10分間隔で電車の運転が行われている点がありがたい。

また、全線が複線の嵐山本線とは異なって鳴滝~常盤間の300mの複線区間を除いて全て単線となっていること、嵐山本線が併用軌道区間を有しているのに対して全区間が専用軌道となっていることも北野線の大きな特徴である。

電車は、帷子ノ辻駅を発車すると京都市西部の住宅地の中をのんびりと走り、終点の北野白梅町駅には12分ほどの所要時間で到着することが出来た。


画像 061s.jpg
▲北野白梅町駅に到着した電車


画像 063s.jpg
▲北野白梅町駅ホームの様子


北野白梅町駅は、頭端式3面2線ホームで、ホーム全体がドーム状の屋根で覆われていることが特徴の駅だ。また、通常の乗降は中央のホームから行っているが、両端のホームについては多客時などを中心に駅員を配置して降車線用のホームとして使用されているそうだ。


画像 062s.jpg
▲北野白梅町駅舎


この当時の2005年8月、ちょうど京都市から京福電鉄北野白梅町駅と叡山電鉄出町柳駅の間を結ぶLRT構想の報告書が発表になったばかりで、「このようなLRT構想が実現できればそれはそれですごいことだなぁ。」と思ったものであるが、北野白梅町駅の様子を見ると延伸には駅舎の撤去など大規模な工事を行わなければ線路の延伸が出来なさそうな構造となっていたので、実現のハードルはかなり高そうな印象を受けた。


画像 064s.jpg
▲この駅から先に線路が延伸される日は来るのか!?


しかし、時は経ちこの14年後の2019年11月にはバス停留所(バス停)との一体化やバリアフリー化を目的とした駅舎改築工事が開始され旧駅舎が撤去。2020年3月現在では、北野白梅町駅は線路の延伸が容易な構造へと改められていること。また、近年では富山や福井など国内の他の地域においてもLRTの導入推進に積極的な地域も増えてきていることなどから、京都においてもLRT構想の進展について今後に期待を持ちたいところだ。


4.この日の行程


  • 四条大宮 発 → 帷子ノ辻 着(京福電鉄嵐山本線)
  • 帷子ノ辻 発 → 北野白梅町 着(京福電鉄北野線)



この記事へのコメント

人気記事 - 24時間以内

人気記事 - 先月