関西版ムーンライトながら号!?2005年のムーンライト九州号・新大阪~博多間乗車記

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はじめに


2005年8月19日、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線や樽見鉄道など主に中部地方での乗り潰し旅を終えた私は、次なる目的地、九州へと向かうため新大阪駅へと向かった。

2005年当時、京都駅や新大阪駅からは博多、松山、高知に向けて青春18きっぱー御用達ともいえる夜行快速列車のムーンライト群が運行されており、関西地区から四国、九州方面に向けて鉄道での超格安旅行を行うことが可能であった。

2000年代も半ばに入るとそれまで運行されていた夜行列車群もシーズンごとに運行期間や運行区間が短縮されるなど、徐々に淘汰の足音が聞こえ始めてきた時代ではあったが、それでも関西を拠点に運行されていた夜行快速のムーンライト群は、青春18きっぱー達にとって根強い人気があった。

今回は、そんな時代の新大阪~博多間のムーンライト九州号の乗車記を綴りたい。


目次


1.ムーンライト九州号とは


ムーンライト九州は、2009年1月4日まで主に繁忙期を中心に新大阪駅から博多間で運行されていた臨時の夜行快速列車だ。車両は、リクライニングシートを備えた「シュプール&リゾート」用14系客車が使用されており、全面ガラス張りの展望車も連結されていたことから一部のファンを中心に人気の高い列車であった。

また、運転時期が青春18きっぷの発売時期と重なり、指定席券を追加購入するだけで同きっぷで乗車が可能な列車であったことから、青春18きっぱーからの人気も高く関西版の「ムーンライトながら」とも言うことの出来る列車であった。

この他、京都駅や大阪駅を起点として、2000年代中盤頃までは関西から西へと向かうムーンライトシリーズの夜行快速列車群が、博多、下関、松山、高知、出雲市の各方面に運行されていた。これらの列車は、いずれも12系・14系客車を主体とした客車列車による運行であったため、車両の老朽化などを理由に2005年頃から徐々に淘汰が進んでいった。

2005年夏の臨時列車からは前年まで設定のあった、出雲市行の快速ムーンライト八重垣号、下関行の快速ムーンライト山陽号の設定が無くなり、それまで京都駅が始発駅であったムーンライト九州号は、始発駅が新大阪駅へと変更。そんな夜行列車の淘汰が徐々に進み始める雰囲気の帯びた2005年8月19日夜、私は新大阪駅からおよそ10時間をかけて博多駅へと向かった。


<2005年の関西発のムーンライト号の運転状況>
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なお、私はこの前年の2004年8月26日にも京都駅から博多駅までムーンライト九州号に乗っており、その時の乗車の様子は下記のリンク先のブログに乗車記をアップしているのでご興味のある方はご覧になっていただくことが出来ればと思う。

夜行列車で九州へ!ムーンライト九州乗車記! 2004年夏休み・日本列島縦断の旅⑫


2.京都駅などに立ち寄り新大阪駅へ


2005年8月19日、私は、博多行の夜行快速列車であるムーンライト九州号へと乗車するために新大阪駅へと向かう。この日の出発地は名古屋で、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線と樽見鉄道線への乗り鉄を済ませた後、途中、京都駅へも立ち寄ってから新大阪駅へと向かう計画だ。

2005年!開業間もない頃の名古屋臨海高速鉄道あおなみ線乗車記!
2軸車体の元祖レールバスも活躍していた頃の樽見鉄道乗車記!

また、京都駅では、日本で唯一の駅ホーム上にある郵便ポストを見学し、写真を撮影。この時代の京阪神緩行線は青色の201系電車と青色帯の205系電車が主力車両として運行されており、駅ホーム上のポストと「西明石」の方向幕を示した青色帯の205系電車をカメラに収めることができた。

日本で唯一!京都駅ホーム上にある謎の郵便ポスト


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▲途中立ち寄った京都駅にて


3.新大阪駅を出発する!


2005年夏に運行された快速ムーンライト九州号の新大阪駅発車時刻は22時1分で博多駅の到着時刻は翌朝の7時54分。所要時間は9時間53分だ。この前年の2004年に乗車した際は始発駅が京都駅であったが、この年である2005年からは始発駅が新大阪駅へと変わり運転区間が少し短くなってしまったことについては少し残念に思った。

私が、新大阪駅へと到着したのは発車のおよそ30分前である21時30分ごろ。発車ホームで列車を待っているとやがて電気機関車独特の重量感のあるジョイント音を響かせながらEF65形(PF形)直流電気機関車に牽引された8両編成の列車が入線した。ここからおよそ10時間近くに渡っての座席夜行列車の旅が始まる。

そして、発車時刻の22時1分、ムーンライト九州号は電気機関車のホイッスルを響かせ新大阪駅のホームをゆっくりと発車した。新快速などに代表される電車列車は近郊都市間をスピーディに結ばなければならないという使命から加速の鋭さが強みであるが、ムーンライト九州号は電気機関車に牽引された昔ながらの客車列車というのは旅情をそそる。

車窓に流れる大阪のビル街の灯をぼんやりと眺めていると車掌氏が検札にやってきたので、青春18きっぷと指定席券を提示。指定席券の方には下関地域鉄道部の検札印をもらうことが出来た。

このムーンライト九州号は、博多行の最後尾にはガラス張りの展望車が連結されていることが大きな特徴で、展望スペースにはソファが配置されフリースペースとなっている。今回の乗車に当たっては、夜行列車の旅をより満喫するために事前に京都駅でビールとおつまみを買い揃え、展望車で去りゆく都会の灯を見ながら一杯でもと思ってはいたが、車掌氏の検札後、展望車に行ってみると既にグループ客による先客がおり一人旅の私がそこに混ざるのも気が引けたので、大人しく自席に戻って一杯やることに。そして、腕を枕にして窓側に寄りかかって眠りに落ちた。


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▲このとき使用した指定席券


4.下関駅での長時間停車


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▲早朝の下関駅の様子


2005年8月20日、ムーンライト九州号で一夜を過ごし目が覚めると辺りはすっかり明るくなっていた。ふと時計の時刻を見ると午前5時を過ぎたところ。やがて車窓には瀬戸内海の大海原が広がり、下関駅への到着を告げる車内放送があった。

下関駅の到着は5時34分。ここで12分間の停車時間があり、乗車たちはこの停車時間を利用してホーム上にある洗面台を利用して歯磨きや洗顔を行うものも多くいた。駅ホームの洗面台は蒸気機関車時代の名残で、蒸気機関車が吐き出す煤煙が客車の中にまで入り込んでしまうことから、長時間列車に乗っていると乗客達は煤だらけになってしまうということで、昔はこのような洗面設備が国内の各駅にあったという。


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▲下関駅ホームの様子(撮影は2004年8月)


ムーンライト九州号の乗客たちが長時間停車を利用して下関駅ホームで思い思いの時間を過ごしている一方で、列車の運行に携わる乗務員たちの動きはあわただしい。

まず、下関駅はJR西日本とJR九州の会社境界駅であることから、ここでJR西日本の車掌さんからJR九州の車掌さんへと乗務員の交代が行われる。また、ここまで列車をけん引してきたEF65形(PF形)直流電気機関車ではこの先の関門トンネルを越えられないため、機関車が青いEF65形から赤いEF81形交直両用電気機関車へと付け替えられる。これは、関門トンネルを抜けた門司駅手前に直流1500V電化区間と交流2000V60Hz区間のデッドセクションがあり、直流機関車では門司駅構内へと入れないためだ。


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▲乗務員交代の様子(撮影は2004年8月)


そして、時刻は5時46分となり列車は定刻通りに発車。水産関連施設が立ち並ぶ下関市街の車窓風景を眺めているうちに列車は関門トンネルへと吸い込まれていった。


5.関門トンネルを抜け博多へ一直線!


関門トンネルは、本州と九州を隔てている関門海峡の海底下に掘られた鉄道在来線用の海底トンネルだ。トンネルは単線トンネル2本で構成されており、下り線トンネルは全長3,614.04メートル、上り線トンネルは全長3,604.63メートルである。

下関駅を出発し、列車はトンネルに入ったかと思えばわずか数分で関門トンネルを抜け、いよいよ九州入りを果たし5時53分に門司駅へと到着。下関駅からの所要時間は僅か7分であった。門司駅では6時6分までの13分間停車し、ここでさらに赤いED76形交流電気機関車へと機関車の付け替えを行う。

門司駅を発車すると密集した住宅地やビル街など賑やかな車窓風景が続く。門司のある北九州市は人口およそ100万人を擁する政令指定都市だけあり、車窓からも都市の風格が漂う。そして、北九州市中心部の小倉駅を過ぎると、北九州都市高速道路の巨大な高架橋が線路と並走。都市部へと入った実感をより強くさせた。

ムーンライト九州号は足の遅い客車列車であることから、加速性能の良い都市型電車が頻発している福岡近郊区間では電車列車のダイヤの支障とならないように、途中のいくつかの駅では特急列車や快速列車の他、普通列車にも追い抜かれながら、門司~博多間を2時間近くかけて走破し、2005年8月20日7時54分、無事に終点の博多駅へと到着した。

博多からは福岡県内在住の友人と合流、そのまま鹿児島本線へと乗り換え、未乗路線の乗り潰しを行うために筑豊本線(原田線)起点の原田駅へと向かった。


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▲博多駅に到着したムーンライト九州号


6.この日の行程


  • 新大阪 22:01発 → 博多 ヨ7:54着(快速ムーンライト九州)





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