開業間もない頃の福岡市営地下鉄七隈線乗車記【博多近郊徹底乗り潰しの旅⑥】

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はじめに


2005年8月21日、前日から福岡県内で未乗路線の乗り潰しをしていた私は、この日も福岡県内に在住する友人O氏と県内の未乗路線の乗り潰しに挑むこととなった。

前日の8月20日7時54分、夜行快速列車のムーンライト九州号で新大阪駅から10時間近い時間をかけて博多駅へと到着した私は、友人O氏と博多駅で合流し13時間かけて、筑豊本線、後藤寺線、平成筑豊鉄道、筑豊電気鉄道、篠栗線、香椎線の6路線を完乗。

その後、博多駅前の東横インで1泊し、この日は西鉄天神大牟田線、西鉄甘木線、甘木鉄道、博多南線、西鉄宮地岳線、地下鉄七隈線の6路線に完乗する計画を立てていた。

廃線の迫る西鉄宮地岳線までの乗車を終えたのち、次はこの日の最終路線となる地下鉄七隈線へと乗車するため起点の天神南駅へと向かった。


目次


1.地下鉄七隈線とは


福岡市営地下鉄七隈線とは、福岡市中央区の天神南駅から同市西区の橋本駅までの12.0kmを結ぶ福岡市交通局が運営する地下鉄路線だ。

七隈線は、鉄輪式リニアモーターカーによるミニ地下鉄路線であり、1435mm標準軌のレールの上を小型の地下鉄車両である4両編成の3000形電車が走行している。

また運転方式はATOによる自動運転が採用されており、乗務員は運転士のみ乗務はしているものの車両の運転操作については出発ボタンを押すだけの操作となっていることも大きな特徴である。

開業は2005年2月3日であり開業直後から利用者が予測を大きく下回ることとなり厳しい船出となった路線であるが、起点となる天神南駅が地下鉄空港線の天神駅と500m以上も離れており乗り換えの利便性が悪いほか、七隈線に並行して西鉄が天神や博多に直結するバス路線を多数運行していることから、乗客は皆西鉄のバス路線のほうに流れ七隈線の利用には思ったほど結びつかなかったことと思われた。

今回は、そんな開業からわずか半年余りの2005年8月21日の地下鉄七隈線の乗車記を綴りたい。


2.起点の天神南駅へ!


廃線の迫る西鉄宮地岳線を貝塚駅から津屋崎駅まで往復した後、地下鉄箱崎線から空港線に直通する電車で天神駅へと到着したのは18時30分頃のことであった。

空港線の天神駅は七隈線との乗換駅に指定されている駅ではあるが、両駅の間は550mも離れており乗り換えにはかなり不便だ。天神駅から天神南駅までは地下通路で結ばれており、地下商店街である天神地下街の中を抜けることになる。

地下鉄天神駅の自動改札機を抜け案内板に従って七隈線の天神南駅を目指すも歩く距離の長いこと長いこと…

我々は「こんな不便な乗り換えなら、そりゃ西鉄バスのほうに客を取られるよなぁ…」といったことを話しながら10分近く地下通路を歩いて天神南駅へと向かうことになった。


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▲七隈線へは1日乗車券で乗車した


3.七隈線の3000系電車


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▲3000系電車


七隈線で使用されている福岡市交通局3000系電車は、2005年2月3日の七隈線の開業に合わせて導入された鉄輪式のリニアモーター電車である。

鉄輪式リニアモーター電車は、車両側に搭載した電磁石とレールの間に敷設した永久磁石との反発力によって走行する方式が特徴で、車両側に容積を取るモーターを搭載しなくてもよいことから通常の鉄道車両と比較して車体の小型化を実現できるメリットがある。

福岡市営地下鉄のうち、通常方式の鉄道である空港線と箱崎線の1000系・2000系電車のサイズが長さ20,000mm(先頭車20,500mm)、幅2,860mm、高さ4,135mmであるのに対して、鉄輪式リニア鉄道である七隈線の3000系電車は、サイズが長さ16,500mm(先頭車16,750mm)、幅2,490mm、高さ3.145mmと小型で、空港線・箱崎線の1000系・2000系に比べて長さと高さは75%程、幅は90%程に抑えられている。

また、車内は小断面による空間の狭さを感じさせないように配慮されたデザインとなっており、運転室は独立した部屋にはなっておらず胸の高さ程度の仕切り壁とバーにより客室と仕切るようになっていることも大きな特徴だ。七隈線は自動運転によるワンマン乗務であることから、最後部車の運転席には乗客が自由に出入りできる構造ともなっている。


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▲車内の様子


4.天神南駅から橋本駅へ!


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▲終点の橋本駅の様子


天神駅から550mの地下通路を歩いて天神南駅へと到着後、真新しい自動改札機に地下鉄1日乗車券を投入しホームへと降りる。天神南駅は1面2線ホームドア設置の構造となっており、降車ホームと乗車ホームが分かれていることが特徴だ。

乗車ホームで電車を待つこと数分で橋本行の電車が入線。全面展望を楽しむために運転席後ろのスペースに乗車することにした。七隈線の3000系電車は運転席と客室とが仕切り壁とバーで区切られただけの構造となっていることから、運転士の運転操作の様子を直接見ることが出来るので新鮮な感じがする。

そして、発車時刻となり運転士のボタン操作により電車は橋本駅へと向かって出発した。七隈線の電車は出発ボタンを押してしまえば次の駅までの加速から停車までの全てが自動運転となることから、走行中は一切、運転士は運転機器の操作の必要はないわけであるが、こうした仕事は働く身としては本当に仕事に対してやりがいを感じるものであるのか、少し気になるところであった。

また、乗客数は全体的にまばらな印象で、七隈線の利用促進のためにはやはり天神南駅への接続をどうにか改善しない限りは、西鉄バスに対しての競争力を持つことはできないのではないかとそんなことを考えながら、七隈線のトンネルを駆け抜け天神南駅から橋本駅までの12.0kmの道のりを24分で駆け抜け、終点の橋本駅へと到着したのは19時近くの頃であった。


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▲橋本駅コンコース


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▲駅出入口


5.橋本駅周辺の様子


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▲橋本駅周辺地図


橋本駅は室見川を越え福岡市早良区から西区へと入ってすぐの場所に位置しており周囲には新興住宅地が広がっている。また、幹線通りにも面しており、駅前のロータリーや駐輪場などもしっかりと整備がされている様子で、遠方からの利用者のアクセスにも考慮したような設計となっていた。

橋本駅への出入口も普通の地下鉄駅でよく見られがちな地下への階段に覆いをかぶせたようなものではなく、一見、駅舎と見まごうようなしっかりとした建築物となっており、橋本駅が同地区のランドマークとしてしっかり機能するような作りとなっているような印象を受けた。

また、橋本駅の南東すぐの地上には七隈線の車両基地が置かれており、近くまで歩いていけば基地に留置された電車を見ることもできるようであったが、残念ながらこの時は日も落ちかけていたこともあり、駅周辺を散策しただけでそのまま天神南へと引き返すことになった。

なお、橋本駅は、日本国内には七隈線の他に、神奈川県相模原市のJR東日本横浜線・相模線・京王相模原線の橋本駅、京都府八幡市の京阪電鉄本線の橋本駅、和歌山県橋本市のJR西日本和歌山線・南海高野線の橋本駅の3駅があり、福岡県福岡市の福岡市営地下鉄七隈線の橋本駅は日本で4番目の橋本駅として開業することとなった。


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▲幹線通りに面した駅周辺の様子


地下鉄七隈線でこの日の乗車予定は終了となり、橋本駅からは再び先日からの宿泊先である博多駅前の東横インへと戻ることになった。翌日である2005年8月22日は博多から小倉へと向かい、日田彦山線、久大本線の全線乗車を果たし別府観光港へ。その後は夜行便のフェリーで四国の八幡浜港へと渡る計画だ。


6.この日の行程

  • 博多 発 → 天神 着(福岡市営地下鉄)
  • 西鉄福岡(天神)9:00発 → 大牟田 10:04着(西鉄天神大牟田線 特急)
  • 大牟田 発 → 大善寺 着(西鉄天神大牟田線 特急)
  • 大善寺 発 → 甘木 着(西鉄甘木線)
  • 甘木 11:46発 → 基山 12:13着(甘木鉄道 112)
  • 基山 12:15発 → 博多 12:45着(鹿児島本線 準快速 4336M)
  • 博多 13:34発 → 博多南 13:44着(博多南線 643A)
  • 博多南 14:31発 → 博多 14:41着(博多南線 666A)
  • 博多 発 → 貝塚 着(福岡市営地下鉄)
  • 貝塚 発 → 津屋崎 着(西鉄宮地岳線)
  • 津屋崎 発 → 貝塚 着(西鉄宮地岳線)
  • 貝塚 発 → 天神 着(福岡市営地下鉄)
  • 天神南 発 → 橋本 着(福岡市営地下鉄)
  • 橋本 発 → 天神南 着(福岡市営地下鉄)
  • 天神 発 → 博多 着(福岡市営地下鉄)

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