はじめに
2005年の年末も差し迫った12月23日、私は東北各地の未乗路線の乗り潰しを果たすため北海道&東日本パスで再び遠征へと出た。
この時の目的路線は、白新線、陸羽西線、陸羽東線、気仙沼線、石巻線、仙石線、仙山線、左沢線、山形鉄道フラワー長井線、米坂線の8路線だ。
この日は、新潟駅から白新線と羽越本線を経由する朝の普通列車で村上へと抜け、特急いなほ1号で鶴岡駅へとショートカット。
鶴岡駅からは普通列車で陸羽西線の起点となる余目駅へと向かい、余目駅からは10時59分発の普通列車で新庄駅へと向かうことにした。
目次
1.陸羽西線とは
陸羽西線とは、羽越本線の余目駅から奥羽本線の新庄駅までの43.0kmを結ぶJR東日本の地方交通線で、「奥の細道最上川ライン」の愛称が付けられている路線だ。全線が山形県内に位置しており県内の庄内地方と最上地方を結ぶ役割を担う路線である。
庄内地方の主要都市は人口約11万人(2005年当時)を擁する県内唯一の港湾都市酒田市と、人口約人口14万人(2005年当時)を擁する城下町の鶴岡市で、最上地方の主要都市は人口約4万人を擁する城下町の新庄市だ。
陸羽西線が羽越本線から分岐する余目駅は酒田市と鶴岡市に挟まれた東田川郡庄内町に位置し、人口も人口約人口2万人(2005年当時)と県内の町村では高畠町に次ぐ人口を誇っている。
陸羽西線の列車は、大半の列車が余目駅から酒田駅まで羽越本線に乗り入れて運行されていることも大きな特徴だ。もともと陸羽西線は新庄駅と酒田駅を結ぶ酒田線として1914年に全線開業したことが始まりで、その後、羽越本線の開業に伴って余目~酒田間が羽越本線に編入、新庄~余目間が陸羽西線として分離された。
今回は、余目駅を10時59分に発車する新庄行の普通列車に乗車し陸羽西線の乗り潰しを行う。全線の所要時間は45分と比較的短時間で乗り通しを終えることが出来る。
2.陸羽西線のキハ110系
陸羽西線で運用されている車両は、専用塗装のキハ110系気動車で、この時は両運転台仕様のキハ110形気動車の2両編成の列車であった。
車両塗装の特徴としては、「雪景色」をイメージさせる白地をベースに「豊かな自然」を連想させる緑色で縁取りされた車体に、窓下にアクセントカラーとして「最上川のもたらす豊かな恵み」の黄色の塗装が施されている。
また、車体側面には"Mogami-gawa Line"のロゴが、先頭車前面左下に両線の愛称(奥の細道最上川ライン・奥の細道湯けむりライン)にちなみ「奥の細道」のロゴが貼り付けられていた。
3.車内は座れないほどに混雑!
余目駅を10時59分に発車する新庄行普通列車は、酒田駅を10時39分に出発し余目駅に到着したのは10時56分のこと。2両編成の車内は既に立ち席客が出るほどの混雑で、余目駅からはこの列車にさらに鶴岡方面からやってきた乗客を加え、混雑は更に激しさを増す。
陸羽西線は、最上川に沿った人口希薄地帯を走ってはいるものの、車内の混雑を見ると、やはり山形県内の庄内地方と最上地方を結ぶ重要路線としての役割を果たしているように見えた。
この列車の終点の新庄駅からは東京駅との間を結ぶ山形新幹線つばさ号も接続していることから、庄内地方から新幹線を介して東京方面へと向かう利用者も多そうな印象だ。
なお、この陸羽西線には、山形新幹線の新庄延伸直後からミニ新幹線化構想があり酒田市が構想の実現に向けて熱心に取り組みを続けている。構想の内容は、陸羽西線の新庄~余目間を電化・標準軌化、羽越本線の余目~酒田間を狭軌・標準軌の3線軌条化し山形新幹線を酒田駅へ直通させようというものだ。
4.最上川を遡り新庄へ!
10時59分、新庄行の普通列車は定刻通りに余目駅を発車すると、雪化粧した庄内平野の中を走り、南野駅と狩川駅に停車。そして、車窓左側から最上川が迫り新庄盆地へと向かう渓谷地帯に入ったところで清川駅へと停車した。
ここからは最上川の流れに遡って渓谷地帯を新庄盆地へと向かって駆け上がっていく。列車は庄内平野と新庄盆地の中間地帯にある秘境駅である高屋駅へ停車し、次の古口駅を過ぎると車窓風景が徐々に開け始める。
津谷駅からは完全に新庄盆地へと入り、再び雪化粧した田園地帯が車窓に広がり、羽前前波駅、升形駅へと停車。そして、終点の新庄駅へは11時44分の定刻通りに到着した。
新庄駅からは11時56分発の山形新幹線つばさ114号・東京行に接続しており、陸羽西線の大半の乗客は東京行きの山形新幹線へと乗り換えたようであった。
5.終点の新庄駅
陸羽西線終点の新庄駅は、山形新幹線と奥羽本線、陸羽西線、陸羽東線が結集する山形県最上地方の鉄道交通の要所である。
新庄駅からは山形新幹線つばさ号が東京駅へ直通している他、奥羽本線の普通列車がそれぞれ秋田と山形方面へ、陸羽西線が山形県庄内地方の酒田・鶴岡方面へ、そして、陸羽東線が宮城県の小牛田駅へと延びている。
新庄駅は、また、奥羽本線の線路がこの駅を境に分断されていることが大きな特徴で、ここから山形・福島方面は線路の幅が新幹線と同じサイズである1435mm標準軌、秋田方面は在来線サイズの1067mm狭軌となっている。
これは、新庄駅を終点とする山形新幹線が在来線の奥羽本線の線路の幅を在来線サイズである1067mmから新幹線サイズの1435mmに改軌して新幹線の直通運転を可能にしたことによるものである。
新庄駅からはさらに陸羽東線へと乗り換え、宮城県の小牛田駅を目指す。
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