目次
1.予定を在来線から新幹線に変更
2005年10月10日の夕暮れの迫る頃、鹿島鉄道線と磐越東線への乗り潰しを果たした私は、郡山駅から次の目的地である福島交通飯坂線へと向かおうとしていた。
当初の予定では、郡山から福島までは東北本線の普通列車で向かう予定であったが、完全に日が落ちてしまう前に福島交通飯坂線への乗車を果たしたかった私は、急きょ新幹線で福島駅へと向かうことにした。
なお、東北本線の普通列車に乗車した場合は、郡山駅を16時10分に発車して福島駅へと到着するのは16時58分となる一方で、東北新幹線のMaxやまびこ・つばさ117号に乗車した場合は、郡山駅を15時59分に発車して福島駅に到着するのは16時14分となり、大幅な時間短縮が実現できることから迷わず新幹線を選択することにした。
郡山~福島間46.1kmの新幹線自由席特急料金は840円であったが、東北本線普通列車の所要時間が48分なのに対して新幹線の所要時間が15分であることを考えると、決して高い特急料金ではないと感じた。
2.都市間交通機関としては対象的だった新幹線と磐越東線
郡山駅の在来線ホームから新幹線連絡改札口を通り新幹線ホームへと上がると東京行のホームは人で埋め尽くされていた。在来線ホームは割と閑散とした雰囲気であったのに対して、新幹線ホームの混雑は同じ駅でありながらも全く対照的な雰囲気だ。
これは東北新幹線が東北各都市と首都圏を結ぶ都市間交通機関として地域に浸透していることの証であり、郡山~いわき間においては都市間交通機関としての役割を高速バスに奪われてしまった磐越東線の姿とは対照的であると感じられた。
3.E4系と400系
郡山駅から乗車することになったMaxやまびこ・つばさ117号は、E4系新幹線電車8両と400系新幹線電車7両の堂々たる15両編成の列車で、福島方の400系7両が山形新幹線直通つばさ117号新庄行、東京方のE4系8両がMaxやまびこ117号仙台行となっていた。
E4系新幹線電車は、東北・上越新幹線の開業時から運用されていた200系新幹線電車の老朽取り替えと、増え続ける新幹線通勤旅客需要の双方に対応するために、1997年に登場したオール2階建ての新幹線電車である。東北新幹線系統では主にMaxやまびこに充当され、1999年からは東京~福島間において山形新幹線つばさ号との併結運転が行われるようになった。
一方の400系新幹線電車は、1992年の山形新幹線開業時に登場した車両で、新幹線と同じ標準軌に改軌した在来線の奥羽本線福島~山形間を直通運転する、山形新幹線「つばさ」用として新製された。いわゆる山形新幹線区間とされる福島~山形~新庄間は在来線の線路を新幹線と直通できるように狭軌から標準軌に改軌したもので、踏切や急カーブなども存在することなどから最高運転速度は130km/hに抑えられており、240km/h以上で高速運転できる新幹線と区別するためにミニ新幹線とも呼ばれている。
なお、E4系新幹線電車は2012年に東北新幹線から運用離脱し、元祖ミニ新幹線と言われた400系新幹線電車も2010年に引退してしまっていることから、2020年現在においてこちらの風景はすっかり過去のものとなってしまっている。
4.15分間の立ち席乗車で福島駅へ
Maxやまびこ・つばさ117号の郡山駅への入線は発車1分前の15時58分。7両編成の400系新幹線電車に8両編成のE4系新幹線電車を従えた堂々の15両編成だ。前側7両の山形新幹線つばさ号は新庄行、後側8両の東北新幹線Maxやまびこ号は仙台行となっていた。
私は、この15両編成の前側7両の400系つばさ号編成の自由席に乗車。自由席車内はデッキに人が溢れんばかりの混雑で、福島までの15分間を立席で過ごすことにした。
そして、福島駅にはあっという間に到着。福島駅では、東北新幹線と山形新幹線が分岐する駅であり、400系つばさ号とE4系Maxやまびこ号の切り離し作業が行われるということで、この切り離し作業を見学した後に、私は次の目的地である福島交通飯坂線へと向かうことにした。
次回に続く
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